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第1部 三章【護りのミサト!】その2 第四話 一日顧問

Penulis: 彼方
last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-15 18:30:00

47.

第四話 一日顧問

 ミサトとユキは旅を続けていた。しかし、イメージしていたものと現実は必ずしも一致しないもの。関東圏から飛び出して無目的に進んでいたら雀荘が全くなくなってしまったのだ。

「いやー、見渡す限りの大自然。のどかでよろしいですなぁ」

「そうねー、まあ私たちの住んでる所とあんまり変わらないけどねー」

「じゃなくて、どーすんのよーミサトー。武者修行に出たのに稽古場がないんじゃ意味ないわよ」

「そう言うと思った。でもね、違うんだなーこれが」

「なにがどう違うのさ?」

「実は、ここは目的地付近なの!」

「えっ!?」

 気が付いたらミサトはワゴンを駐車場に入れていた。

「……ここは?」

「学校よ」

「あっ、たしかに学生にも教えて回りたいって言ってたっけ。でもこんな所に大学があったんだ」

「ここは高校よ」

「へっ!? 高校で麻雀してるの?」

 すると、ここの教員と思われる人物がミサトたちに近寄ってきた。

「井川プロ! 本物だ。いやぁ、遠い所わざわざ御足労いただきありがとうございます。私は麻雀部顧問兼本校教頭の早乙女三郎(そうとめさぶろう)です」

「日本プロ麻雀師団の井川美沙都です。こっちは相棒の飯田雪」

「はじめまして、飯田です」

「ユキ、ここ青龍滝高校(せいりゅうだきこうこう)は学校公認の麻雀部があってね、学生大会に参加したりしてるの。去年の大会では大学生相手に準優勝したのよ」

「へぇえ…… そんな高校があるなんて知らなかったです」

「今回の麻雀部発足のきっかけになったのは『月刊マージャン部』なんです。とくにあれに載ってた小説に胸が熱くなりまして。よし! 競技麻雀、やろう! って私がなったのが始まりでした。発足というよりは再結成なんですけどね。大昔に廃部になった部活動でした」

「それって中條八千代(ヤチヨ)ちゃんの!」

「そう、財前香織(カオリ)を中心に描かれた私たち麻雀部の物語ね」

「あの、井澤ミナトのモデルに来てもらえるなんて感激です!」

「井澤ミナト?」

「私のことよ、小説では井澤ミナトになってるの」

「どうぞ、先生。今日は一日よろしくお願いします」

「先生ねー」

 こうして、ミサトとユキは青龍滝高校麻雀部の一日顧問をやる事になった。

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